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政策の目玉!?民主党マニフェスト「子ども手当」とは?

8月30日の衆議院選挙で民主党が単独で308議席を獲得し、政権交代が現実のものとなりました。

そこで、今回のトピックスは民主党の政策の目玉である<子ども手当>についてお話します。民主党が新たに打ち出す子ども手当とは、中学卒業までの子どもに1人あたり31万2,000円を支給する制度であり、5兆3,000億円程度の財源が必要と試算しており、初年度となる2010年度は半額支給の方針を示しています。

一方、民主党のマニフェストに掲げられた、子ども手当の財源として所得税の控除見直し案(国税の配偶者控除、扶養控除の廃止)があげられています(住民税(地方税)の配偶者控除、扶養控除は存続)。これに伴い、子どものいない一部世帯(65歳未満の専業主婦世帯のうち納税世帯、民主推計では全世帯の4%)で税負担が増えることとなり、民主党案が単に子ども手当という給付を増やすばかりでなく、税負担をも変更させ、負担と給付のあり方の改革に切り込むものであることが明らかになりました。

そもそも日本の所得課税については、配偶者控除、扶養控除などの人的控除の部分が大きいため、課税最低限の所得が他の先進諸国に比べ高く、課税ベースが大きく侵食されているという問題が従来から指摘されてきました。加えて、配偶者控除については、高所得者が適用を受けている割合が高い上、控除の仕組みが税額控除ではなく、所得控除であるため、高い税率となる高所得者層ほど大きな恩恵を受けられるという問題がありました。

さらに、配偶者控除の存在が、夫が配偶者控除を受けられるようにするため、妻が働くとしても配偶者控除を受けられる範囲の所得(103万円)に止めようとするインセンティブが働き、既婚女性の労働供給を阻害しているとの問題がありました。

こうした問題を解決する一つの方法として、上記のような様々な問題を招く配偶者控除、扶養控除を廃止し、これに伴い負担増となる層には、新たな方法で給付を行うというもので、民主党案でも一定の理解は得られるのかな、と思われますが、より効果的な仕組みに発展させるためには、納税者番号制度の導入と合わせ、低所得者や子育ての支援策を組み込んだ税額控除の導入も検討すべきかもしれませんね。